介護施設で事故を防ぐために多く導入されている見守りシステムの1つが、赤外線センサーです。赤外線センサーは赤外線の反射によって温度変化を検知することができ、それによって人の動きを感知します。
例えばベッドの脚へ設置すると、利用者がベッドから起き上がるなどの動きをセンサーが感知し職員へナースコールなどで通知が行くという形になります。
赤外線センサーには、次のようなメリットとデメリットがあります。
まずメリットとして挙げられるのは、「利用者に知られず設置できる」という点です。このセンサーは本体が小さく、赤外線は目に見えません。そのため、さりげなくベッドの周りなどに設置することができます。
次に「非接触で感知できる」という点もメリットとして挙げられます。赤外線の反射によって感知するシステムなので、触れないと感知できないマット式センサーのように跨れると気づけないという事態を防ぐことができます。本体が汚れる心配もなくコード類も必要ないので、足を引っかけて転んでしまう心配もありません。
デメリットとしては、「動きしか感知できない」という点が挙げられます。ベッドから降りたなどの動きは把握できても、その時の利用者の状態がどうであるのかまでは分からないので、よく動く利用者の場合は何度も通知が来てしまう場合があり、その度に確認に行く必要が出てきます。
また「急変への対応には向いていない」点もデメリットでしょう。バイタル異常など利用者が急変して一刻を争う状態だとしても、赤外線の照射範囲に動きがなければ何も検知できません。その他のセンサーとの併用が必要です。